イジワルな俺様の秘密ライフ
……
…………
「あのぉ……」
いつまでたっても離れない海翔様に、私は恐る恐る声をかける。
「なんだ」
深い低音が、耳を介さずに海翔様のからだから直接私のからだに届いたような錯覚に、私の鼓動がビクンと跳ねる。
「い、いつまでこうしていればよいのでしょうか……」
しどろもどろな私に、フッと温かい息が降り注いだ。
「さあな」
「さ、さあなって……」
ドキドキし過ぎて、やばい泣きそう。
昨日からいつもの三倍くらい無駄に頑張っている心臓は、そろそろ限界に近付いている気がする。
私このまま、一生分の心臓の脈打つ回数を使いきってしまうんじゃなかろうか。
お父さんお母さんごめんなさい。
私はこの海翔様に抱きしめられたまま、命果てそうです。
「やべぇ……」
私のほうがヤバいです。
呟いた海翔様は、どこか余裕がない。
私のほうがないけどね。
「どっちがいい?」
そりゃあ出来れば生きていたいです。
「選べ」
だから出来れば生きていた……
「キス攻めと言葉攻め、どっちがいい?」
お花畑が見えた。