イジワルな俺様の秘密ライフ
その二択の出てくるスイッチを今すぐ教えてくれ、今すぐ!!
どっちも嫌、と言いけた刹那、
ぎゅっと抱きしめるチカラが強くなり、切ない吐息が私の耳を揺さぶる。
なんで……?
好き勝手しているのに、なんでそんなに切なそうなの?
なんでそんなに苦しそうなの?
なんで……?
そう思ったときには腕のチカラは弱まって、
「また……あとで……」
と言った海翔様の声ににじんだ儚さに、
私は思わず手を伸ばしかけた。
スッと離れてしまった海翔様は、
「ジュース」
と天使のような微笑みで私の手からジュースを受けとる。
「ありがとう」
その言葉に、私は頷きながら財布を返した。
天使の笑みに、一抹の寂しさを感じながら。