イジワルな俺様の秘密ライフ


遊園地の閉園時間まで遊びつくし、

いつの間にかさっきのもやもやした気持ちも消え失せて、

私は名残惜しく感じながら、遊園地のゲートをくぐった。



ナツへのお土産にと買ったストラップとお揃いの、自分用のストラップをケータイにつけ、目の前で揺らしながら歩く。



キラキラと外灯に反射してとてもきれいだけれど、やっぱりどこか物悲しい。



黙ってケータイをしまいかけた手を、海翔様が掴んだ。



「貸せ」


あ、と声を上げる間もなく、ケータイを取り上げられる。



「ちょ……返してよ!!」



抗議の声が聞こえてないはずはないのに、無視してケータイをいじっている。



「返してったら!!」



いくら手を伸ばしても、背伸びをしても、

全く届かない。



そのうちに海翔様の気が済んだようで、「ほら」と見た目は無事に返ってきた。



と思ったら。

「ストラップ、増えてる……」



ドロップのような四ツ葉の中に、Kの文字が書かれたチャームが、小さく揺れていた。



……K?



深く考え込むより先に手を引かれ、その思考は頭の隅に追いやられた。



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