イジワルな俺様の秘密ライフ
海翔様はよく来るのか、慣れた様子ですけれども。
一般庶民の私には、こんなとこは来たことないわけで。
椅子を引かれて私が座るのを待っていたのを知らずに、
私はおもいっきり椅子を引きずった。
ズズズズズという無粋な音が、談笑を楽しんで食事しているハイソな方々の耳をつんざいたようだった。
しかも明らかに場違いな服装だから、目立つ目立つ。
すみません……
高校生なんで勘弁してやってください。
そう思ってぺこぺこしたけど、痛い視線が突き刺さる。
おいそこのクスクスと笑った、なんちゃってハイソな感じのケバい女!
……高校生なめんなよ。
無駄にケンカ売りかけた私に、
「嫌いなものあるか?」
といさめた海翔様。
ないよと首を振ったら、
「腹減ってるから早く出来そうなモン、適当に」
とオーダーしたのは正しい判断。
人はお腹がすいていると気が立つのを、身を持って知った。