イジワルな俺様の秘密ライフ
料理が並んだのはいいけれど、一体どうやって食べたらいいのかわからない。
海翔様の作法を見よう見まねで食べたけど、慣れない食事に緊張しどおしで。
匂いも味もわかんねぇ!!
とりあえずお高いんだろうなということはわかるけど、
お高いだけじゃ腹は満たされないんだと知った。
皿から料理はなくなってるけど、
私のお腹に入ってる気がしない。
実は私の口に入るまでの間に、ナイフやフォークが食べてるんじゃないかと思う。
そしてようやく気がついた。
私、こんな高そうな料理、払えるんだろうか……?
そう思ったらもう気が気じゃなくて、
余計に食べた気がしない。
……もし足りなかったら、皿洗いするしかないな。
そしてデザートが来たときに、私の皿洗い人生が確定したと思った。
カラカラと軽快な音でワゴンによって運ばれてきたそれは、
色とりどりのスイーツ。
一つ一つはこじんまりとしているけど、
問題はその量だ。
ワゴンにところ狭しと並べられ、もう数えることすらままならない。
「こんなに食べきれない……」
呟きが海翔様の耳に入った。