イジワルな俺様の秘密ライフ


「おま……全部食う気か……?

まぁ、いくつでも選べ。
俺はこれにする」

と一つだけ選んだのを見て、

あぁ、この中から選べばいいのかと納得した。



ですよねー

全部は食べ切れないですもんねー



そしたらなんだか気が抜けて、

甘いザッハトルテは味わって食べることが出来た。



「おいしい……」

自然と笑顔が浮かんだのを見て、海翔様が安心したような笑みを浮かべる。



「やっと笑ったな」


そう言われてキョトンとした私に、

「さっきまで思い詰めたような顔をして食べてたから、気に入らなかったのかと思った」

と苦笑した海翔様。



私、自分のことで精一杯だったけど、目の前でつまらなそうに食べてたら感じ悪いよね……と申し訳なく思った。



のに。


「そのくせ俺の分も狙ってたから、よっぽど腹減ってたんだな」


テーブルマナーを見ていたのを、物欲しそうにしていたと勘違いしたらしい。



そ、そんなに食わねぇよ!!



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