イジワルな俺様の秘密ライフ
「な、なに言って……か、からかわないでって言っ……」
「本気だけど?」
私の言葉を遮るように、髪に顔を埋めて耳元で囁くその声に、
私の意思とは関係なく、
体がビクンと跳ねた。
そしてその反応を受けるかのようにして、
力強くもう一度。
「俺、本気だけど」
これ以上ないというくらい、私を抱き締める腕のチカラが強くて。
「ほ、本気って……?」
苦しい……
締め付けられる体は苦しくて、
ドキドキしている心臓で息苦しくて、
真っ白になった頭で考える思考はもっと苦しい。
やっと出したその言葉に、海翔様はかすかに息を吐いた。
「本気は本気。からかってなんか、ない」
それって……
「あの、意味がよくわからな……きゃあっ」
いきなり腕が離れたかと思うと、体を反転させられ、
すっぽりと海翔様の腕の中に、
向かい合わせで抱き締められた。
「お前……本気で言ってんの?」
半ば呆れた声に、私の真っ白だった思考はチカチカと点滅すらしはじめた。
「気に入ったって言ったろ」