イジワルな俺様の秘密ライフ
「じ、実は……」
乾いた喉をごくりと湿らせ、思いきって打ち明ける。
罵られることを覚悟して、がばりと頭を伏せ、ぎゅっと目をつむった。
「ごめんなさいっ
私、あんまりお金持ってなくて……
朝食代くらいしか払えない……
さ、皿洗いする……」
ぷ、と吹き出した音に、そろそろと頭をあげると、
くつくつと笑う王子様。
「やっぱお前面白れー
大丈夫だよ。ここ、俺の父親の系列だから。
あとで俺の小遣いから差っ引いといてもらう」
「えぇ!?なおさら悪いよ!!
私やっぱり皿洗いする……!」
「皿洗いじゃないことで返してもらうつもりだけど?」
え??
ぽかんとした私に、海翔様は愉快そうに口元を緩めての悪魔の笑み。
「とりあえず、ここの支払いは気にするな。
あとでちゃんと分割で返してもらう、それでいいな?」
よくはないけど、持ち合わせがないことは事実だし、
分割でって言ってくれてるのは有難いことだとは思う。
「わかったら食え」
そう言って差し出されたお皿を、私は釈然としない想いを抱えたまま、受け取った。