イジワルな俺様の秘密ライフ
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ホテルを出て何度も何度も頭を下げる私に、海翔様はぽんと私の頭に手をおいた。
「いいから行くぞ」
そう言われて手を引かれる。
繋ぐことが自然で当たり前みたいなその海翔様の感覚に、私の心は混乱してしまう。
決定的な言葉がないってことが、私の心を萎縮させ、締め付ける。
きまぐれ。
ひまつぶし。
いやがらせ。
そんな言葉がぐるぐると私の頭の中を、
忘れるなと言わんばかりに駆け巡る。
わかってる。
彼が本気じゃないことくらい、わかってるから……
自分に言い聞かせ、
うつむいていた顔をもち上げた。
「ねぇ、支払い、どうすればいいの?
本当に分割でもいいのかな」
「あぁ」
思い出したように応えた海翔様は、ぐいと手をひいて私の体を近付けさせた。
そして耳元で優しく囁くように、悪魔の提案。
「1日、1円ずつ。
毎晩俺に直接渡すこと」
「な、なにそれっ……」
言葉を失った私に、さらなる悪魔が囁く。
「口移しで」
「で、出来るかぁぁぁあーー!!」