イジワルな俺様の秘密ライフ
した覚えのない百面相がお気に召さなかったようで、
少し気味悪がりながらの連行のようです。
失礼な。
あんたなんかケバ子だ、ケバ子!!
でもその女の子の行く手を阻むように、ナツが彼女の前に立ちふさがった。
「ちょっと!ここで話せばいいじゃない……きゃっ」
「ナツ……!」
ケバ子はそんなナツを腕で払って、
その勢いでナツは机と椅子にぶつかる。
そして私は、ケバ子の周りに、クラス中の女子がいることに気付いた。
ナツもそれに気付いたみたいで、ガタガタガタッと音がして、無言で体勢を立て直す。
……ナツ、ごめん……いいよ、もう……
私、行くから。
ナツの怪我するとことか、見たくないし……
だから……
「キェェェェェェイ!!」
え?
その奇声を発したのが、
できたてホヤホヤの我が親友、ナツだというのを、
私は信じられない想いで見ていた。
彼女はクラスメイトたちを、そのしなやかな脚でなぎはらい、
次々に打ち倒していく。
ハイ!ハイ!という掛け声のような言葉が教室に響くたびに、クラスメイトがひとりまたひとりと床に沈んでいった。