イジワルな俺様の秘密ライフ
戦場と化した昼休み。
女子たちがもともと男子を教室から閉め出していたのか、
今立っているのは、
鬼神のようなナツと、
私の手首を握っているケバ子、
そして今にも座り込みたい気持ちになっている私。
ナツがニヤリと笑いながらケバ子を見ていた。
ケバ子の体からは、カタカタと小さな揺れが私に伝わってくる。
それがナツにもわかったのか、クッと口角を上げて見下すようにケバ子を睨み付けた。
「震えてるんじゃん」
「武者震いだよ」
間髪入れずに答えてはいるが、声すらも震えている。
勝負は見えた、と思った。
そして、トン、と軽く床を蹴る音がして、ケバ子の脚がナツを襲った。
なんとケバ子も脚を使うのか……!!
ゴクリと唾を飲み込んだ瞬間、
一瞬で勝負はついた。
ナツが私をチラリと見た瞬間、ケバ子の脚がナツを襲い、
かかと落としをくらったナツが、ドサッと床に向かって崩れ落ちた。
「ナ、ナツーー!!」
私はそばに寄ることも許されず、
そしてそのチカラもなく、
ケバ子に手を引かれて教室を出ることしか出来なかった。