イジワルな俺様の秘密ライフ


私が唾なんて飲み込んだばかりに、ナツは気をとられて……



「ナツゥゥゥウ~……」



ひーん、と泣き続ける私をグイグイ引いて、ケバ子は振り返りもせず、ウザそうに言った。



「いつまでも泣いてると気付かれんじゃん。
泣きやまないと気絶させるよ」



「…………」



嗚咽を我慢して喉の奥に飲み込んだ私を、ケバ子はフンと馬鹿にするような仕草で笑った。



連れられた先は、日頃あまり使うことのなさそうな史料室。



どうやって手に入れたのか、鍵を使ってドアを開けたケバ子は、私の背中を押して埃っぽい室内へと押し込んだ。



ケバ子が入ったあとに、次々に女子が入ってくる。



ケバ子2号、3号、4号……



ケバ子、もしかして権力者?



……つか、あまり広さのない史料室。


「狭い……」



これでもかってくらい入ってくるケバ子軍団は、まだまだいそうで。



かなり狭い。

かなり息苦しい。



酸欠になりかけた頃、ケバ子が怒鳴った。



「全員は無理!外で待機して!!」



ですよねー。



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