イジワルな俺様の秘密ライフ
代わったげるというのは、
立て替えてもらったホテル代金のことだろうか?
金額に換算出来るのがそれくらいしか思い当たらなかったので、きっとそれのことだろうと納得した。
ケバ子はなんとかして海翔様との接点を持ちたいのだろう。
恋愛に一生懸命な子は嫌いじゃない。
呼び出したのだって海翔様への想いを抑えきれなかったのだと思えば、我慢出来る。
ただ、ナツを傷付けたのは許せない。
だから、ナツへの謝罪を条件にして、教えることにした。
ケバ子が、首がもげそうな勢いで何度も縦に振ったのをみて、私はおもむろに口を開いた。
「実は、トータルの金額はわからないんだ……
ただ1日1円ってことになってる」
「安っ!!
……あんたさ、もうちょっと自分を大事にしてもいいと思うよ…?」
なんでそんな憐れみの目で私を見るんだろう??
「ま、あたしにはカンケイないけどさ。
ありがとね。海翔様んとこ行ってみる。
っとその前に、さっきの子に謝りに行くね。
じゃあね」
とケバ子が私に背を向けた瞬間、廊下から悲鳴が上がった。