イジワルな俺様の秘密ライフ
花園って名字からは、もっと自然体な女の子を連想したい……
でもケバ子の恋する乙女的な顔は、なんかいいなって思った。
「ところで、何の話をしてたんですか? 花園さん」
微笑みを崩さずに、海翔様は少しだけ首を傾げた。
ケバ子はモゴモゴと口ごもっていたけど、意を決したかのようにゴクリと唾で喉を湿らしてから口を開いた。
「あたしがこの子の代わりになります……!」
花園ケバ子、意外に直球。
しかしやっぱり会話がかみ合ってないような気がする。
なんの話?と訊かれたのに、代わりになるって……それこそなんの話?だと思うんだけど……
「申し訳ないですけど……
このひとの代わりになる女性はいませんから」
海翔様には通じてた!
しかも、私に向かっての天使スマイル付き。
ヨロ、と足元をふらつかせたケバ子が、わなわなと震えながら海翔様を見やる。
「ど、どうして……?どうしてですか!?
だってこんなチンチクリンよりも断然あたしの方が──!」