イジワルな俺様の秘密ライフ
「容姿はね。……でも俺は、」
あ、容姿はチンチクリンと肯定しちゃう?
テメェ寮に帰ったら覚えとけよっ!!
頭の中で
『まず股間の急所に一発ヒザ入れて~、体が折られたところに…』
とシュミレーションに余念のない、勉強家の私。
だからウッカリ聞き逃すところだった。
そのくらいサラッと、何でもないことのように言われた言葉。
「俺は、この百面相に惚れたから」
……なんですと?
ほ、惚れた……?
え、ナニコレそんな話だったの──!?
ケバ子、ホテル代の肩代わりはー!?
愕然としている私をよそに、海翔様はにこやか爽やかスマイルで。
「まだ俺の片想い中。
応援してくれると嬉しいです。
好きな人の恋を応援するのが、本当に好きってことなんですよね?」
とまでいい放ちやがった!
ケバ子がそんな論法で騙され……
「わかりました!」
てるーー!!
騙されちゃってるよケバ子!
あんた騙されてるよー!
だってほら、その証拠に、海翔様が悪魔のような笑みを浮かべて私の耳に口元寄せて、
「やっぱお前面白れー」
ってほらぁ……