イジワルな俺様の秘密ライフ


へなへなとそこに座り込みそうな体を必死で脚つっぱらせて、

ケバ子が「あたし、応援します!」とかほざいてて、

なんかもうどうにでもなればいい、と半ば捨て鉢な気分のそのとき。



走ってきたらしい人影が見えて、

キュッと廊下を踏みしめる上履きの音が聞こえたと同時に、

「アヤ、無事!?」

という頼もしい声が、私の耳を通して、

心に響いた。



ナツ様ーーっ!!



厳密に言えば、ナツも間に合ってはいないんだけど、

でもケバ子にあんな仕打ちをされてなお、

まだ仲良くなって間もない私のために、こんなところまで探しに来てくれたという、

そのナツの漢気(おとこぎ)に感動した。



やっぱり私にはナツしかいないっ!!


「惚れてまうやろー!!」


「アヤ、キモい」


泣いてまうやろーっ……!!



容赦ないナツのまさかの切り捨てに、私はウルウル目。



「じゃあ俺のライバルはさしずめ、あなたですね、保川夏歩さん」



にっこりと微笑んだ海翔様はナツを見つめていて……


ブリザードが見えるのは、私だけ……??



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