黒の扉【短編集】
『お前。悪魔失格だな。』
黒い椅子に深々と腰掛けながら、男は煙を吐き出す。
『まだ、悪魔じゃないですよ。悪魔の見習いです。大体、僕を引きずり込んだのは、貴方じゃないですか。今更失格とか言われてもね…。』
僕の言葉に、男はにやりと不適な笑みを浮かべた。
『まぁ、いい。お前に課題をだそう。人間界で何か事件を起こして来い。タイムリミットは二日。できなければ、落第だ。』
僕は無言で軽く頭を下げ、部屋を出た。
僕の能力はクラスでも上位に入る。頼りないが、羽根も生えた。今までだって、少女を一人、死に追いやったじゃないか。
あいつは僕に、一体何を期待しているんだろう…
軽い苛立ちを覚えながら、僕はそのまま人間界に降り立った。
今なら建物一棟くらい、爆発させられそうだ。
だけどそんな事はしない。今日は、じわじわと追い詰めてやりたい気分だ。何も分からないまま、一瞬で終わらせてしまうのは面白くない。
ふと下を見ると、女が歩いているのが見えた。
気が強そうな美人だが、何だか影のある雰囲気がする。きっと僕の苛立ちを癒してくれるだろう。
黒い椅子に深々と腰掛けながら、男は煙を吐き出す。
『まだ、悪魔じゃないですよ。悪魔の見習いです。大体、僕を引きずり込んだのは、貴方じゃないですか。今更失格とか言われてもね…。』
僕の言葉に、男はにやりと不適な笑みを浮かべた。
『まぁ、いい。お前に課題をだそう。人間界で何か事件を起こして来い。タイムリミットは二日。できなければ、落第だ。』
僕は無言で軽く頭を下げ、部屋を出た。
僕の能力はクラスでも上位に入る。頼りないが、羽根も生えた。今までだって、少女を一人、死に追いやったじゃないか。
あいつは僕に、一体何を期待しているんだろう…
軽い苛立ちを覚えながら、僕はそのまま人間界に降り立った。
今なら建物一棟くらい、爆発させられそうだ。
だけどそんな事はしない。今日は、じわじわと追い詰めてやりたい気分だ。何も分からないまま、一瞬で終わらせてしまうのは面白くない。
ふと下を見ると、女が歩いているのが見えた。
気が強そうな美人だが、何だか影のある雰囲気がする。きっと僕の苛立ちを癒してくれるだろう。