黒の扉【短編集】
「冗談じゃない!あんな顔、見たくないわよ!ふざけるのは、いい加減に…」
『だから。殺しちゃえばいいんだ。もう二度と見なくていいように…この世から、消すんだよ。』
僕の提案に、女は言葉を失った。
『今までだって、思った事あるでショ?殺してやりたいって。』
女に優しく語りかけながら、僕は女の心に触れていく。何の能力も持たない人間に、暗示をかけるのなんて簡単だ。
「そんなの。犯罪だわ。」
そう言いながらも、女の瞳は、少しずつ確実に色を失っていく。
僕の言葉に、心動かされている証拠だ。
『大丈夫だよ。僕の言葉をよく聞いて。僕の言う通りにして。』
女の瞳が、薄いグレーに変わった。取り込むまで、あと少しだ。
「…聞かせて。」
瞼が半分落ち、視点の合わなくなった女が、消えそうな声で言う。僕は、返事の代わりに女にほほ笑みかけ、話を続けた。
『今から君は、彼女を殺しに行く。簡単だよ。心臓を一突きさ。首を狙ってもいい。それだけで、彼氏は永遠に君のモノだよ。出来るよね?』
『だから。殺しちゃえばいいんだ。もう二度と見なくていいように…この世から、消すんだよ。』
僕の提案に、女は言葉を失った。
『今までだって、思った事あるでショ?殺してやりたいって。』
女に優しく語りかけながら、僕は女の心に触れていく。何の能力も持たない人間に、暗示をかけるのなんて簡単だ。
「そんなの。犯罪だわ。」
そう言いながらも、女の瞳は、少しずつ確実に色を失っていく。
僕の言葉に、心動かされている証拠だ。
『大丈夫だよ。僕の言葉をよく聞いて。僕の言う通りにして。』
女の瞳が、薄いグレーに変わった。取り込むまで、あと少しだ。
「…聞かせて。」
瞼が半分落ち、視点の合わなくなった女が、消えそうな声で言う。僕は、返事の代わりに女にほほ笑みかけ、話を続けた。
『今から君は、彼女を殺しに行く。簡単だよ。心臓を一突きさ。首を狙ってもいい。それだけで、彼氏は永遠に君のモノだよ。出来るよね?』