光る道

契約

あまりにも思いがけない提案。 




この人、自分の言ってる事わかってんのかな・・・




今までパニクッてた頭と体が、段々落ち着いてきた。


「そんな事言っていいんですか?  赤の他人の、しかも女と同居するなんて。 彼女に怒られるんじゃないですか?」



「別に俺はいいよ。部屋も空いてるし。 仕事でほとんど帰らない時もあるから、あまり会わないと思うし…  それに・・・ 彼女はいないから…」




じっと目を見て話しかけられ、思わず目をそらす。






改めてリビングを見渡すと、大きな窓から夕日が差し込み、とても美しい空間に心がなごむ。




私も不規則な仕事。そう会うことはないかもしれない。


病院へも近くなるし、家賃・光熱費がタダというのは確かに魅力・・・





「ね、年令聞いてもいいかな?」




無言で考えをめぐらせていると、いきなりの質問。



「えっ? 年ですか…」



「嫌ならいいけど…」



「いえ、別に。…37です」



「えーっ!! 俺と同い年? そう…。 俺、20代の女性しか興味ないから、襲ったりしないよ。」



< 10 / 228 >

この作品をシェア

pagetop