光る道
しばらく電話の切れた音を聞いていた・・・





「はははっ・・・ あたし・・・ 最低・・・」




涙が頬をつたい、床にポタポタ落ちていた…





薫は私に、好きだと言ってくれた。 守ると言ってくれた。




なのに私は、全然素直じゃなかった… 本当の気持ちを言わなかった。




薫が好き… でもそばに居るのが私でいいのか、わからない。 自信ないって…



結局、逃げてしまったんだ。




彼の愛に向き合えない、昔の心の傷を乗り越えられない自分が苦しくて… 情けなくて…




優しい彼に甘えて、がまんさせて、傷つけて…




ごめんね、薫… 



やっぱり私は、貴方に不似合いだよ。もっと素敵な人がいるはず…





私には、一人が似合ってる。



傷ついたあの日に、決めたじゃない。



『もう恋はしない』って。




あんな幸せ、私には贅沢すぎた・・・・・





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