光る道
手を動かすと、何かに触れた。



一枚の紙だった。




廊下の明かりで照らし、読んでみる。




『ベッドとタンスは一人で運べないので、置いていきます。
申し訳ありませんが、処分して下さい。』     




「バーカ… そんなの無理に決まってんだろ…
何でも一人でやろうとしやがって…」




そう言って、ベッドに寝転がった。




夕希の匂いがした


気がした・・・・





あいつは自分に、女の魅力がないって言ってたけど、気付いてないんだ…




細くて長い手足。



長い首から肩にかけての、柔らかい曲線。



真っ白で、つるつるの肌。



長くて綺麗な指。



あったかい日だまりの様な、優しい笑顔。



そして抱きしめた時に香る、甘い、優しい匂い。





俺がお前に、どれだけドキドキしたか、わかってないんだろうな…





そして、いつからか押さえきれなくなっていた、俺の気持ちも…





< 118 / 228 >

この作品をシェア

pagetop