光る道
「何で敬語なんだよ?」




薫が笑いながら言う。




「仕事…ですから。」




「ははっ、そっか。
 …ちょっと食欲なかっただけだよ。入院なんてしなくてよかったのに…
そっちこそ、少し痩せたんじゃない?」




彼が私を見つめながら話す。




「私は…ダイエットです!
それより、検査データ悪いですよ。栄養足りなさすぎです。顔色も悪いし。」




体温計を渡し、



「脈をとりますね。」



と、彼の手首をつかむ。





大きくて、大好きな手・・・




思わず自分の手が震えてくる…




「相沢さん、手、震えてない?」




薫が、面白そうに笑う。




顔が熱くなってくる。




「震えてません! 気のせいです!」




手を離そうとしたら、逆に彼に手首をつかまれた。




そして、しっかり手を握られてしまった。





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