光る道
「あったかいな… 久しぶり… お前の手…」




「あの… こういうのは、看護に入らないんですけど…」




少し笑いながら言った。




「受け持ちなんだろ? わがまま、きいてよ。
 あー… 何か眠れそうな気がする…」




握った手から、彼の温もりが伝わってくる…




「忙しかったの?」




気付けば、普通に話していた。




「いや… 何か眠れなくてさ… 胃は痛いし、頭は重いし… ぶったおれちまった…。 夕希、おでこ触ってくれない?」




眠くなってきたのか、トロンとした目で私を見る。




私は彼のおでこに、そっと手をのせた。




「サンキュー・・・・」




そう言うと薫は、スーッと眠ってしまった…





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