光る道
「はいはい…」




妙に素直だ。荒療治が効いたかな…





「なあ・・・ さっき俺が止めなかったら、全部脱ぐつもりだったのか?」




着替えが終わると、彼が聴いてきた。





「さぁ… どうかな・・・ でも薫なら、止めてくれると思ってた…」





「バーカ! でも… せっかくのチャンスを棒に振ったのか? 俺…」




真剣に考える彼が、かわいかった…        





「ねぇ。新しいシャツとか、もうないの?」




着ていたものを整理しながら、言った。




「あぁ… マネージャーが何枚か、買ってくれてた分しかない。」




「着替え、取りに行ってもらったら?」




「マネージャーには、場所わかんないよー。
・・・夕希、取ってきてよ!」




「えーっ!何で出ていった人間が行くのよ!」   



「仕方ないだろー。お前が一番知ってるんだから。
なっ? 受け持ちさん!」



「ちょっと! 受け持ちの使い方、間違ってるよ!」



あきれながら言った。





でも… 薫が少し元気になった気がして、嬉しかった。





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