光る道
「明日は休み。何か用事あった?」




「いや… 別にないけど…」



歯切れの悪い返事。なに?



「あー! 私に会えないから、寂しいんでしょ?」




冗談半分で、からかうように言った。




「んなわけないだろー。毎日若くて、可愛い看護師さんが来てくれるし。
あー! 楽しいなー!」




ムキになる所は、全然変わんないな…




「じゃあね!」



笑いながら出ようとした時



「夕希!」



急に手首をつかまれ、振り返ると、すぐそばに彼が立ってた。




「いつ… 来る?…」




私を抱きしめ、やさしい声で聞いてくる。




「…あさって来るよ。担当じゃないけど、顔見に来るから…」




「わかった… 気を付けて帰れよ。」




そう言って、彼は私から離れ、微笑んだ…






 部屋を出て廊下を歩いてると、50才代くらいの女性に会釈された。




無意識に私も会釈したが、知らない人だった。




気になって後ろ姿を見ていると、その人は、薫の病室へ入った…




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