光る道
「もどって来ない?」




長い沈黙の後、薫が私の目を見て、真剣な声で言った。






でもすぐに、



「いやー。洗濯物たまっちゃってさー。床も埃だらけだし… この前驚いたろ?
やっぱさー… お前いないと困るんだよねー。」




と、冗談ぽく言う。




私は、言葉が出なかった…



声を出すと、一緒に涙も出てきそうだった…







「奈々の事、気にしてる?」




何も言わず、ただ立ってるだけの私を見上げ、薫が続ける。




「あいつに告白された… でも俺にとっては、妹みたいな存在でしかないんだ。
それ以上でもそれ以下でもない。 これからもずっと… ハッキリそう言ったよ。
でも、何でお前が告白しろなんて言うんだよ。」




そう言って、笑いながら私の手を握りソファーに座らせる。




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