光る道
数日後、薫が退院する日がきた。




その日休みだった私は、その日に彼の家に戻る事にした。




病院で見送れない分、家で迎えようと思った。




「本当に手伝ってくれるの? お母さん。」




荷物を車に積み込んでると、母が一緒にやってくれる。




「二人でやった方が早いでしょ? 今日は暇だし。」



「ありがと。助かるー!」



実家に戻る時は一人でやったから、結構大変だった。





「すごい所に住んでるのね…」




マンションに入ってからの、母の第一声。




「うん。私も初めて来た時、びっくりした。
 あっ、私の部屋こっちだから。」




笑いながら、母に声をかける。




「ふーん… 寝室は別なんだ…」




意味深に母が笑う。




「何考えてんの? だからー… これまでは、ただの同居人だったんだって。」



「これまでは、…ねぇー。」




またも、ニヤリ。





まったく、何考えてんだか…




そういえば、薫のお母さんも初対面からテンション高かった。




この二人、結構似てるかも・・・




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