光る道
「ふーん… 薫くんって言うんだー。」




母がニヤニヤしてる。




やばい! つい自然に出てしまった。




「でも料理が出来て、困る事はないの! 簡単で美味しいのを、いくつか教えるから。」




そう言われて二人で買い出しに行き、料理を作った。



私は手伝いながらメモをとった。




やっぱり、彼に美味しいものを食べさせてあげたい…




久しぶりに親子二人で、ゆっくり話しながら食事をした。





食事が終わり、片付けながらも話は続く。






その時、私の携帯が鳴った。



薫からの電話で、すぐにでた。




「俺。今どこにいる?」




私が何も言わないうちに、彼が話す。




「家にいるよ。…薫の。」



「ほんと? あと10分くらいで着くから!」




彼の声が急に高くなる。




「ちょっと待って! 今、母がいるから、実家に送ってくるから。」




「えっ?・・ お母さん来てるの?」




今度は急にテンションが下がる。




「うん… 引っ越し手伝ってくれたから…
これから送ってくるから。」




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