光る道
母と別れて、急いでマンションへ戻った。




また薫と一緒に暮らせると思うと、嬉しさがこみあげてくる。





「ただいま!」



元気よく、リビングのドアを開けた。





「あー、お帰り。先に風呂入ったよ。夕希も入れば?」





あれ?・・・普通のテンション・・・




やっと二人きりになれたから、抱きついてくるかと思ったのに…





「あー…うん。 じゃあ、私も入ってくる。」





お風呂からあがっても、薫はソファーで、のんびりとTVを見てる。




最初はちょっと、がっかりしたけど…



でも、その姿を見て、心が温かくなってきた…



以前と同じ生活が戻ってきたんだと実感がわいてきて、嬉しくなった。





「薫、私そろそろ寝るね。まだ起きてる?」




「あっ、いや… 俺も寝ようかな。」




そう言ってTVを消して立ち上がる。




「じゃあ消すよ。おやすみ。」




リビングの明かりを消し、自分の部屋へ行こうとした。




「ダメ!」




急に腕をつかまれ、振り返る間もなく、後ろから抱きしめられた。



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