光る道
「謝らなくていいよ。」




今までのんびり話してた薫が、急にまじめな口調になる。



「相沢は何も悪くない。責任は全部、俺にあるから。」



そう言ってから、これまでの経緯を井上さんに話しはじめた。




聞き終えた井上さんは、しばらく黙った後、



「事情は分かった。でも気を付けてくれよ! どこで狙われるか、わからないんだから・・」



そして私の方に向き直り、


「あなたも気を付けて下さい。お願いします。」



と頭を下げられた。




この人は本当に薫の事を心配してる、まじめな人だと思った。



「わかりました。気を付けます。 それに… そんなに長く居るつもりはありません。 ご迷惑おかけしないようにします。」




「よろしく…」



そう言って、井上さんは初めて微笑んだ。



< 17 / 228 >

この作品をシェア

pagetop