光る道
「最近さ、飯作る回数ふえてない?」




薫が食事しながら、テーブルの向かい側に座る私を見る。





「そっ、そう? あんまり意識してなかった…」




そう言われれば、そうかもしれない。




母にレシピを教わる回数も増えた。





「俺は、助かるけどなー!」



嬉しそうに彼が言う。





残った料理を冷蔵庫に入れてると、いつの間にか、なくなってる事が多い。





彼が食べてくれてると思うと、がんばって作ろうと思ってしまう。






食事も終わり、久しぶりに二人でゆっくり過ごした。





「来週さ、仕事で海外行くことになった。」




二人でTVを見てると、彼に言われた。




「そう。どれくらい?」




「2週間かな。 寂しい?」




そう言いながら、薫が私の肩を引き寄せる。




「うん… 寂しい…」




「おっ! 素直だなぁ。
 電話するから…」




彼がキスをしてくれる。






前の私なら、『別に寂しくない』とか言ったと思う。



でも今は、素直に自分の気持ちが言えるようになってきた。





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