光る道
「相沢さん! 今日、飲みに行きません?」




夕方、仕事終わりに、後輩のいずみが声をかけてくる。




「あー… ごめん! 今日は無理なんだ。 また誘って!」




「何かあるんですかぁ? 先輩最近、すごく楽しそうだしー…」




いずみが、探るような目で見る。




「何もないよー! 今日は友達と約束してたから… じゃあね!」




これ以上ボロを出さないうちに、退散しよう。
あの子は、するどいから…



私は、そそくさと職場を出た。






今日は、彼が帰ってくる。



何度か電話で話したけど、やっぱり早く会いたかった。




今日は料理も作って、帰りを待とうと思っていた。




少しずつ彼の好みも分かってきたし、昨日から準備も始めていた。






「少し冷静にならなくちゃね…」




家に帰り、料理の仕上げをしながら、つぶやいた。






薫が長期に家をあける事は、これまでにもあったし、これからもあるだろう。




その度に寂しさを募らせたり、逆にワクワクしてたら、身がもたない。





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