光る道
その時、携帯が鳴った。




「もしもし、俺。今どこにいる?」




電話は薫からだった。




「家にいるよ。…どうかした?」




「いや… あと少しで着くから…」




「…うん。待ってる。」




 何か変・・・




この前の電話で、家で待ってると言っていたのに。



それに、さっきの声がいつもより、よそよそしい…






チャイムが鳴り、玄関へ走る。




「おかえりー!」




ドアを開けて、すぐに彼に抱きついた。




さっきの『冷静になろう』は、どこへやら・・・




「ちょっ、ちょっと待って夕希! お客さん!」




薫があわてて、私を引き離す。




「えっ?・・」 



改めて、薫の後ろを見た。




そこには気まずそうに下を向いた、マネージャーの井上さんが立ってた。




「あっ!… ごめんなさい…」




今度は私が、恥ずかしくて下を向いてしまった。




「二人がどうしても、俺らに話したい事があるんだって。」




「えっ? 二人?」




その時やっと、井上さんの後ろにもう一人、人がいるのに気付いた。



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