光る道
でも薫の言葉で、やっと二人が笑顔になった。





それから私の料理と薫のお土産で、ささやかなお祝いパーティーをする事になった。





「あの、手伝います。」




台所にいる私の所に、奈々さんがやって来た。




「ありがと。でも、具合はどう?」




「朝は辛いんですけど、夕方は結構平気なんです。」



「そう。つわりにも個人差あるからね。」




私は笑顔で答えた。





「相沢さん… 前にひどい事言って、ごめんなさい。
あんなに薫くんの事好きって言ってたのに、あっさり井上さんとって…
軽蔑するでしょ?」




奈々さんが、私の目を見た。




「そんな事ないよー。今の奈々さん、すっごく幸せそうだもん!」




笑った私につられて、彼女も笑う。




「薫くんに妹でしかないって言われて、すっごくショックだった…
かなり落ち込んで…
そんな時、井上さんの温かい優しさに気付いて。
この人は私を必要としてくれている、そう思ったら段々好きになってた。」




奈々さんは、以前会った時とは別人のように、穏やかな優しい顔をしていた。



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