光る道
「おいしいです! このサラダ。」



本当に美味しい。お母さん、料理上手いんだ…




「そう? 簡単よ! 後でレシピ書くわね。」



お母さんが、嬉しそうに笑った。




「いいよ! 夕希に料理は頼んでないから。 レシピなんて、作れって言ってるみたいだろ!」



「そんな事ないよ。私もレパートリー増えれば、嬉しいし…」




お母さんの言葉には、そんなプレッシャーはなくて、素直に私はそう言った。




でも何で薫は、こんなに不機嫌なんだろ…


久しぶりの、お母さんの手料理のはずなのに…





「はいはい。わかりました! 食事は楽しくね!」




お母さんは微妙な空気も、明るく笑い飛ばす。




「あら、電話鳴ってない? 誰の?」



お母さんの言葉に、私たちが反応する。



「あっ。俺の。」








「何か… すみません。私が言った事で、変な空気になっちゃって…」



薫が電話してる間に、ソッとお母さんに謝った。



「何言ってんの! 夕希ちゃんは全然悪くないわよ。 薫が不機嫌なだけよ。」


何も気にしてない感じで、サラリと言われた。



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