光る道
「前にもね、夕希ちゃんに料理を教えたいって言ったの。そしたら

『相沢は、完璧主義な所があるから、何でもきちんとやろうとする。今でも不規則な仕事の合間をぬって、掃除や洗濯をしてる。
それに料理まで入れたら、またちゃんとやろうと無理をする。
あいつを追い込みたくない』って…
 愛されてるわね。」




お母さんはそう言って、肘で私をつついた。




「あはっ・・まいったな・・」





お母さんの前だから、我慢しようとした。




でも… やっぱり涙が止まらなかった…





「かわいい、夕希ちゃん。 病院では、あんなにテキパキしてた人が…
だから薫がメロメロになるのね。」




お母さんは優しく、頭をなでてくれる。





薫と… 似てる…






薫に、完全に見抜かれていた。





完璧主義で気が強くて、そのくせ泣き虫で不器用な私…





でもこんな私を愛してくれて、守ろうとしてくれる。





ますます彼が、好きになる…




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