光る道
「すみません… こんな姿お見せして。 情けないですね。」




涙を拭きながら言った。




「大丈夫よ! でも泣かせちゃったから、薫に怒られるわねー。
ところで、プロポーズされたら、受けてくれるんでしょ?」




・・・・普通、息子の彼女って、もっとチェック厳しかったりするんじゃない?





あまりにもウェルカム状態で、私もつい、本音を言ってしまった。





「でも、正直… 結婚には自信ないんです。友達や同僚を見てきたから。 みんな仕事・家事・育児を必死にこなしてる。寝る時間を削ったりして。
若い、体力のある時じゃないと無理な気もします。
今の私に出来るかなって…」





「やっぱり、完璧主義ね。」




 …笑われてしまった。





「たしかに、大変だけど… それに薫は小さい頃から、わがままで短気なところがあるからね。
でも親の私が言うのも変だけど、最近少し大人になって、相手の事を思いやれる様になったと思うのよ。」



お母さんは、穏やかに微笑みながら続ける。






< 193 / 228 >

この作品をシェア

pagetop