光る道
「なに?」




薫が私を、のぞきこむ。




「ううん… 何でもない。」





「明日から1週間、また居ないけど大丈夫?」




彼が優しく頬をさわってくれる。




「うん。…寂しくなったら、こっちで寝ていい?」




「いいよ。何なら、ずっとこっちで寝ても…」




そう言って、軽くキスした。




「ふふっ… どうしよーかなー。
何か… 眠くなってきたよ… 先に、寝ていい?」




まぶたが重くなってきた私は、彼の胸に顔を寄せた。



「うん。おやすみ…」




大好きな笑顔を見せてくれる。




「おやすみ。 おにーちゃん!」




私は笑って、目を閉じた…









「家族か・・・ 夕希、お前に一番なって欲しい人、言わなかったな…
 俺の・・・奥さん・・・」






薫がそう言った時、私はもう、夢の中にいた…





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