光る道
「お疲れさま。変わりないですか?」




「はい。今日は落ち着いてます。」





巡回に来た当直師長に、私が答えた。




師長が出て行くのを見送り、何気なく時計を見た。




23時。 あとちょっとか…




今日は夕方からの勤務で、終わるまであと2時間。



患者さん達は落ち着いていて、たまっていた事務仕事を片付けていた。





今日は、薫が帰って来る日。




でも私が帰る時間には、もう寝てるだろうな…







「あーっ! 香田さん!どうしたんですか?」




後輩の、いずみの声に思わず振り返る。




見るとカウンターの所で、薫がニッコリ笑ってる。




「こんばんは。近くまで来たから、久しぶりにみんなに会いたくなって。 これ、お土産。」



そう言って、白い箱を差し出す。




「わーっ! 嬉しい! ねぇ、香田さんも一緒に食べましょうよ!」




今日は若いスタッフばかりで、みんなで盛り上がってる…





「ちょっと! 部外者を中に入れて、そんな事していい訳ないでしょ!」




一応、年長者として注意する。







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