光る道
その時、私を助けてくれるように電話が鳴った。



私は急いで立ち上がって、電話にでる。





「みんな、緊急入院だって。オペになるかもしれないそうだから。」




電話を切った私は、後輩たちに告げる。




「はーい。じゃあ香田さん、また来て下さいね!」



いずみ達が残念そうに立ち上がり、病室の準備へ行く。






「もう…バカ! 何言ってんの? 恥ずかしい…」




二人きりになり、彼の袖を引っ張った。



「ごめんごめん。聞かれたからさー。 でも、嘘じゃないだろ?
今日、一緒に帰ろう! 待ってるから。」



薫が、笑いながら言う。




「でも… 今から急患くるし。遅くなるかも…」



「いいよ… 待ってる。」



そう言って、そっと手を握ってくる。




「じゃあ… 車の中で待ってて。」




みんなに見つからないように、車のカギを渡した。





「なるべく早く、終わらせるから。」



エレベーター前に立つ薫に、そっと声をかけた。




「大丈夫。気にするな。ちゃんと働けよ!」



彼も、そっと手を振って、降りて行った。





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