光る道

それから数時間経った。




自分も寝ようと思ったけど、薫の事が気になって、軽くドアをノックした。




・・・・ 返事がない。寝てるのかな…



入るよぉ… と小さく声をかけ、中に入った。



静かな寝息で眠ってる。顔色もいい。 落ち着いたかな…



ベッドの側に膝をつき、改めて彼の顔を見る。




男の人に言うのも何だけど、きれいな顔…



肌も結構きれいだし、鼻もすっと高い。唇もぽちゃっとして、かわいい。顔が小さくて羨ましい…





そっと頬に触れると、彼が目を覚ました。



「あっ。ごめん。起こしちゃったね。」



慌てて手をひっこめた。



「ずっといたの?」



彼が私を見て言う。



「ううん。今のぞきに来ただけ。」



きれいな二重の目に茶色の瞳…



つい見とれてしまう。




「何じっと見てんの? 俺に惚れた?」



やんちゃな子供みたいな顔で笑う。



「なっ。何言ってんの? でも、それだけ話せれば大丈夫だね… 熱も下がったかな」



そう言って、彼のおでこに手を当てた。


< 21 / 228 >

この作品をシェア

pagetop