光る道
家に着くと、交代でお風呂に入って、その後二人でくつろぐ。



そのパターンが習慣になってきた。




「一緒に入るか?」



薫が浴室へ行く時、聞いてくる。



「ヤダ! 恥ずかしいじゃん!」



私がそう言うのを分かってて、わざと聞いてくる。




笑いながら出て行く背中を見て、子供っぽいなぁーとあきれる。




でも… 大好き…










「さて、寝るか。」




TV番組が終わったところで、彼が立ち上がった。



「うん、そうだね。」



私も立ち上がり、自分の部屋の方へ一歩ふみだした。



「あれ? 続き、してくれるんじゃなかったの?」



私は腕をつかまれた。




「こっちですよぅ。相沢さーん!」



彼が裏声を出して、私を部屋へ引っ張る。




「なに? その変な声!」


私は笑いながら、ついて行く。




「いずみちゃんの真似!」


「何か、仕事で呼ばれてるみたい。」




「そう、お仕事です。」



薫は部屋に入ると、私を抱きしめた。




「俺らの愛を確かめあう、大事な仕事…」



そう言って灯りを消した…


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