光る道
約束の日、朝から何となくソワソワして、午前中に家事を済ませてしまった。





「デートって… やっぱりお洒落した方が、いいのかな…」



独り言を言いながら、クローゼットの中を眺める。













「ただいま。おーっ、お洒落してる! 俺も着替えるから、待ってて。」



帰ってきた彼がそう言って、部屋へ入って行く。







「お待たせ。行こうか。」


薫もいつもより、ちょっとお洒落。


かっこいい…





何も教えてくれないまま、彼の車で出かける。




「ねぇ、どこ行くの? デートって…」



運転する彼に声をかける。



「まあ、俺に任せてよ。」


楽しそうに、そう言うだけだった。





「結構…似合ってるな。 ピアス…」



前を見たまま、薫がつぶやく。




「うん。私の、お気に入り。」



「ふーん…」



私の言葉に、薫は照れ臭そうな、嬉しそうな顔をした。




今日は薫がくれた、赤いピアスをつけた。






そして着いたのは、お洒落なレストランだった。



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