光る道
「気に入った?」




彼の言葉に、大きくうなずく。




「インテリアも素敵だし。 勿論お料理も!」



笑顔の私を見て、薫も笑う…








「いかがでしたか?」




コーヒーを運んできたマスターに、声をかけられた。



薫はトイレに行っていて、私一人だった。




「とても美味しかったです! お店も素敵だし。」




「ありがとうございます。 それにしても… 驚いたな…」



「えっ?」



意味が解らず戸惑う私に、マスターはニッコリ笑う。




「薫の事は昔から知ってるけど… 根は真面目で優しい奴なんだけどねー。 ガキっぽい所とか、短気な所もあってさ。 人から誤解される事も多かったんだ。」




マスターは空いた椅子に座って、続ける。




「でも久々に、あいつを見て驚いた。 あんなに穏やかで、優しい顔初めて見た…  君のお陰かな。」




「そんな事… ないです…」



照れ臭くて、うつむいた。


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