光る道
「あっ! また泣こうとしてるだろ?」




「なっ、泣いてないよ!」



薫に顔を覗きこまれ、強がって言った。





それから二人で砂浜の近くに座り、波の音を聞いていた。






「夕希。」




「ん?」






「結婚しようか…」






「・・・・・」





突然の言葉で、私は何も言えず、ただ彼を見つめるだけだった…





そんな私を優しく見つめ、薫は続ける。





「お前、前に言ってたよな。
『結婚して、やっていく自信ない』って。 俺もさ、同じ様な事思ってたんだ…

結婚したら、嫁さんや子供を守らなきゃいけない。俺にそれが出来るのかって。

自信なくて、踏み出せなかった…」






私は何も言わず、ただ黙って彼の言葉を聞いていた。



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