光る道
行き先を運転手さんに伝え、ちゃんとマンションに着く。



エレベーターを降りて玄関を見ると、薫が、カギを開けようとしていた。



「おっ! おかえりー。ただいまー。」



変なテンションの私に、彼は一瞬無言… そして


「飲んでるの? めずらしいね。」


と笑う。



「はい! よっぱらいです。 すみませーん・・・」



ふらつく足取りで、ソファーに座る。



「大丈夫か? 明日仕事だろ?」



私に近付きながら、薫が言う。



「大丈夫っす! 寝れば酔いも覚める…  あー…ブラきつい。脱ごうかな…」


「ちょっ! こんなとこで脱ぐなよ! 相沢!」



脱ぎ始めた私を、薫が慌てて止める。



「あー… 相沢って呼ばないで! 仕事の延長みたいで嫌だ!! 夕希って呼んで… ゆ・う・き。私も薫って呼ぶからぁー。」


無意識に彼に抱きついていた。



「お、おい…」


薫の焦る声が聞こえる…



「このソファー大好き!」

彼から離れ、寝転んだ。



「あっ!ここで寝るなよ! 相沢!」


「相沢って言うなー…」



そこで記憶は途絶えてしまった・・・
< 25 / 228 >

この作品をシェア

pagetop