光る道
仕事が終わって、電話をかけた。



まだ終わってなかったら、どうしよう…



そんな心配もしてたが、すぐにつながった。



「もしもし? 終わったよ。」



「おぅ、夕希? 俺も今終わった。 今日マネージャーの迎えだったから、お前の車で帰ろう。」



普通に言ってるけど、大丈夫なのかなぁ…



私はなるべく目立たない場所を指定した。



着替えて車で向かうと、もう薫は待ってた。



「ねぇ、大丈夫だったの? こんな事して。」



車を走らせながら、尋ねる。



「同じ家に帰るんだから、いいじゃん。」



彼がのんびり答える。



 …井上さんが心配するのも、わかる気がしてきた…



「おっ! この車マニュアルじゃん! しぶいねー。こだわりあるの?」



無邪気に聞いてくる。



「別にこだわりはないけど。 最初からオートマだと、マニュアルは運転できなくなると思って。だから最初からこれ…」



「なっ。変わってくんない? 俺も久々運転したい。」


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