光る道
「ごめん、ごめん…」




私は笑いながら、彼のグラスにワインを注いだ。




37才にもなれば、恋愛経験も心の傷も、一つや二つじゃない。




お互い、つらい思いをして、それを乗り越えてきたんだ…




「これから幸せになれること、あるかな・・・・」




グラスに口をつけながら、私がつぶやいた。




「当たり前だろ! まだまだこれからだ! 
俺、今度付き合うなら、二十代がいいなー。」




薫が宙をみつめながら言う。




「男ってさー。自分がいくつになっても、相手は若い方がいいって言うよね…」



私が冷めた口調で言う。




「そりゃあ、若い子が可愛くていいじゃん!」




『そういう考えがオッサンなんだよ!』と心の中で毒づく。





でも… つらい恋をしたからこそ、今の私たちがある。


これから、お互い幸せになれるのかな?




どう思う?・・・薫・・・



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