光る道

別れ

「なぁ、最近疲れてない?」




久しぶりに顔をあわせた、薫が聞いてくる。




「うーん… 最近忙しいからねぇー。 そういう薫もクマできてるよ!」




「俺は単に寝不足なだけ。お前は… 何か… 精神的に、きつそうと言うか…」




さすが役者というべきか、するどい観察力・・・・




確かに仕事もハードだったけど、由香の調子が良くなかった。




新しい治療を始めたが、彼女には、それに耐えられる体力が残ってなかった。




最近どんどん弱っている。



「まぁ、いろいろあるからね… でも大丈夫!」




自分に気合いを入れる様に言って、薫に笑顔を向けた。




「無理しすぎんなよ… じゃあな!」




「うん、ありがと。いってらっしゃい!」




「いってきます。」



ニッコリ笑って出ていった。




彼もがんばってる。


私もがんばらないと・・・


< 44 / 228 >

この作品をシェア

pagetop