光る道
でも、私を待っていたのは、辛い事実だった。


それは、由香の治療が中止されたということ。



そして家族と医師の話し合いがあり、何もしないという事になった。



延命治療もしないと・・・




それから数日後、いずみが目を赤くさせてナースステーションに入ってきた。



「どうした?」



声をかけると、いずみが声をつまらせながら



「佐々木さんが、お姉さんに言ったんです。『私、もうがんばらなくてもいいかな…』って。私も側に居たんですけど、何て言っていいか分からなくて・・・」





由香の辛さが、痛いほど分かる。



みんなが頑張れと言う。自分も頑張ろうと思う。

でも痛い、苦しい…

このつらさから、解放されたい…



いろんな葛藤があるのだろう。





しばらくして、心を落ち着けて由香の所へ行った。 



「調子どう?」



ボーッとしながらも、由香が私を見る。



「夕ちゃん… 夢みてた… 高校の時、好きな男の子に告白した時のこと。みんなに協力してもらったよね。振られちゃったけど…」



「あったね。そんな事。」


二人で、ほほ笑みあった。
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